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2018.02.09 Friday

ロメオとジュリエット1869年版

いつもお世話になっているオーケストラに、チャイコフスキーの幻想的序曲『ロメオとジュリエット』1869年版などで参加するお話を頂いた。
この曲、1880年版はこれまで何度もいくつかのオケで弾かせて頂いた。初稿版は予てより一度やってみたいと思っていたが、採り上げるオケもあまりいないだろうと諦めていたので僥倖である。


これが有名な1880年版。1分47秒あたりに入るまでがいつもすごーく長く感じられる。
それにしても、ここのアルペジオをこれほどまでにばらけさせて演奏するケースもあるなんて。
(この映像の人のハープ、弦端の処理が豪快だ(笑))
10分07秒から続く音はペダルが鬼門。18分37秒あたりは指揮者をよく見ないとダサくなる。



こちらが1869年版。「幻想序曲」はこの時点では付いていなかったはず。
1880年版のソリスティックなハープはこちらの版にはない。ラスト近くに一回だけ似たくだりが出現する。中間部の「扉を開けるように」弾くハープのアルペジオは、間の取り方にセンスが必要なのでいつも悩む部分だが、 この1869年版にも入っていた。6分30秒あたり。
15分30秒あたりの音は1880年版にはない。

今度の演奏会では、他にも『ウエストサイドストーリー』も演目に入っている。上記『ロメオとジュリエット』と同様、シェイクスピアの『ロメオとジュリエット』がバックグラウンドとなっており、その源はギリシャ神話の『ピュラモスとティスベ』まで遡る。
相容れない2つのしがらみと悲恋が涙を誘う演目ながら、演奏会そのものは例によって熱く盛り上がりそうな気がする。

2017.11.25 Saturday

Peer Gynt Op.23

Edvard Hagerup Grieg (1843-1907) Peer Gynt Op.23
ノルウェーの劇作家ヘンリク・イプセン(Henrik Johan Ibsen  1828-1906)が1867年に書いた戯曲をもとに、グリークが劇音楽を作曲、1876年にオスロで初演された。

今回のハープの出番は下記である。
・婚礼の場で〜前奏曲(I Bryllupsgården)
・魔王の娘の踊り(Dans av Dovregbbens Datter)
・ソルヴェイグの歌(Solveigs Sang)
・ソルヴェイグの子守歌(Solveigs Vuggevise)
最後の子守歌には元々ハープは入っていない。この演目は10年ぶり2回目の演奏だが、1回目の時の指揮者の方がハープパートを新設したのだ。そして、このハープはペダルチェンジがものすごく多い。鬼門である。

wikipediaによると、”自由奔放なペール・ギュントが旅に出て年老いて帰ってくるまでの物語” とある。要するに股旅物みたいなものかと思っていたら、そんな人情あふれる物語でもないらしい。
ハープの出番は、自己中なペールが誰かの結婚式から花嫁を奪取する時の曲(但しひと晩で飽きて捨ててしまう)、ペールを王と信じて騙された娘の踊りの曲、それでもペールを待ち続ける健気なソルヴェイグの歌、ペールがソルヴェイグに歌を歌ってもらいながら天に召される時の曲(曲名は子守歌となっているが子守の歌ではない)の計4曲という事になる。
北欧作品と言えば、白鳥とか吟遊詩人とか伝説を真っ先に思い浮かべる。このペールギュントは、音楽はともかくストーリーは非常に人間臭い北欧作品。日本の戯曲や芸能との違いは一体どこにあるのだろう。「自分さがしの旅」と言えば、能の「邯鄲」のテーマでもあるけれど、同じようなテーマの作品でも東洋と西洋とでは何かが大きく違う。ペール・ギュントも「夢オチ」だったりするのであれば、あの世に行く時の曲を演奏するハープ弾きとしても多少は気楽に弾けるのだが(笑)。
曲そのものは管楽器や打楽器の聴きどころも多いので、降り番の多い編入楽器として楽しみではある。

2017.07.22 Saturday

Chanson de Matin Op.15-2

E.Elgar "Chanson de Matin" Op.15-2

アンコール2曲目はこの曲。
やはりハープがずーっと伴奏を弾く。
ピアノ伴奏にありがちな音形である。元々はヴァイオリンとピアノの曲だったので当然というべきか。

中間部のアルペジオは、やや速い流れに乗って弾くので、慌てずにペダルを操作しないと調が変わってしまう。
事前に個人練習をたくさんやっていたつもりでも、リハ1日、次は本番日という限られた合奏回数の中では普段決してしないようなミスをやらかしてしまうことがある。ペダル操作も然りで、とくに今回のアンコール2曲はどちらも、個人練習と合奏の違いを感じた。
それでもやはり練習した回数は、本番では決して裏切らない、ように思う。

曲の難しさと夏バテに苦悩した演奏会だったが、明るく爽やかな曲で締めくくることができて救われた。


今回の演奏会、ハープ降り番の曲は
・Derek Bourgeois(1941-2017) Concerto for Trombone and Concert Band Op.114b
・Vaughan Williams Concerto for bass tuba and orchestra
で、どちらも初めて聴く曲。金管ってこんな曲もあるんだ。どちらも素晴らしい熱演だった。

※トロンボーン協奏曲を作曲したブルジョワ氏、この演奏会から2ヵ月も経っていない9月7日に逝去されたそうだ。
 氏のWebサイト http://www.derekbourgeois.com/index.htm
Biography に書いてあることが現実となった。
今回の演奏会でのこの曲の演奏、もしかすると氏の生前最後の演奏だった可能性もあるのではないだろうか。
ご冥福をお祈りします。

2017.07.22 Saturday

Fantasia on Greensleeves

Ralph Vaughan Williams(1872-1958) "Fantasia on Greensleeves"

アンコール1曲目は、3年ぶりのこの曲。
ハープはずっと弾きっぱなし。同じような音形がひたすら続くので、いま楽譜のどこを弾いているのか混乱することがある。
肝心なところでペダル操作が多いので、音が濁らないよう細心の注意を払わなければならない。


作曲者のヴォーン=ウィリアムスはジョージ・バターワースの死後、"ロンドン交響曲"を彼に献呈したそうだ。
そんな事情も考慮した上での選曲だったのかもしれない。

2017.07.22 Saturday

The Banks of Green Willow

George Sainton Kaye Butterworth(1885-1916) "The Banks of Green Willow"

1913年に作曲されたこの曲は "緑の枝垂れ柳の岸辺" と訳される。
ハープは中間部の2箇所のグリサンド、ラスト近くのフルートの伴奏と、出番は決して多くはない。
たいへん美しく抒情的な曲で、ハープが効果的に演奏されないと台無しになる。しかし肩に力を入れて弾くような曲ではない。
岸辺の清らかな水の流れに乗って、やがてひっそりと消えて行くようだ。

バターワースは第一次世界大戦に従軍、戦死。
美しい風景が目に浮かぶような名曲なので、もっと演奏機会が増えて欲しい。


2017.07.22 Saturday

Symphony No.1

Sir Edward William Elgar, 1st Baronet, OM, GCVO(1857-1934)Symphony No.1

ハープは2台必要だが、今回は都合により1台で演奏。
演奏時間は1時間近くあり、指揮者の先生がリハの際「1時間の世界というものがどういうものか、やってみましょう」と仰った。
ハープのパート譜は20ページ近くあり、音数も多く、最初に譜読みする際、どうやって弾いたら良いものやら悩んでしまう箇所も多数あった。
譜めくりのタイミングも考えて製本のアレンジが必要。

第1楽章の、最初にテンポが速くなるところの和音とスケール(もはやグリサンド)の練習に時間を費やし過ぎて、第4楽章までたどり着けない日もあった。
第4楽章はとくに、非常に美しい部分が 1stHp と 2ndHp とでユニゾンではなく別々の音を奏でるため、1台で2台分弾くのに工夫が必要だった。
第2楽章、第3楽章ともに、一見地味でゆったりしたフレーズなのにペダル操作がとても多い部分もあり、1時間のあいだ全く気が抜けない。
…と、苦悩の日々だったが、伝統ある英国が生み出した名曲、演奏する機会を得られたことは幸運だった。


2017.06.10 Saturday

Mozartiana

Pyotr Ilyich Tchaikovsky(1840-1893) Suite No.4 'Mozartiana'

アンコールはこの曲だった。
クリスマスによく歌われている"アヴェ・ヴェルム・コルプス"をリストがピアノに編曲したものが原曲となっている。
チャイコフスキーのハープと言えば派手で何オクターヴもあるアルペジオ、というイメージがあるが、この曲では派手さはないのに効果的にハープが使われているように思う。
これも曲のラストがアルペジオで締めくくられるが、音符の数がだんだん多くなってくるし指揮者を見る余裕もないので、禿山と同様の苦悩に見舞われた。

2017.06.10 Saturday

Caucasian Sketches, Suite No.1

Mikhail Mikhailovich Ippolitov-Ivanov(1859-1935)"Caucasian Sketches, Suite No.1"

1.「峡谷にて」
2.「村にて」
3.「モスクにて」
4.「酋長の行列」
の4曲から構成され、ハープは1曲目と2曲目のみ出番。
コーカサス地方と言えば多様な言語や文化、宗教をもった民族が暮らしている山岳地帯。ケフィア発祥の地でもあるらしい。
それほど広く知られている曲ではないが、素朴で飾り気がないのに郷愁漂う名曲で、時々無性に聴きたくなる。

1.「峡谷にて」
 中間部のアルペジオは慌てずにゆったりと壮大に、喜びに満ち溢れながら(!)弾く。但しペダル操作が多いので決して気が抜けない。

2.「村にて」
 オリエンタルな舞曲でテンポも速め。ハープはひたすら和音で、ともすれば他の楽器にかき消されてしまうが、足を踏み外すとそこだけ目立ちそう。

2017.06.10 Saturday

Night on Bald Mountain

Modest Petrovich Mussorgsky(1839-1881) = Rimsky-Korsakov(1844-1908) "Night on Bald Mountain"

映画「サタデー・ナイト・フィーバー」やディズニー映画「ファンタジア」などで使用され、日本でもあまりにも有名なこの曲、ハープの出番はラストのアルペジオのみ。
音の数も少なくペダル操作があるわけでもないのに、テンポがつかみづらく、意外と弾きづらい。
教会の鐘が鳴り、夜明けとともに消え去っていく魔物たち。テンポも強弱も少しずつ少しずつ緩めていく事がこれほど難しいとは。
たった15小節の出番に苦悩。

2017.01.21 Saturday

ガラ・コンサート

今月8日に続き、今回もウインナ・ワルツの入ったニューイヤーコンサート。

◆Johann Strauß II "Fruhlingsstimmen, Walzer" (春の声)
ヨハン・シュトラウスとリストがピアノ連弾に興じていた時に即興的に生まれたとも言われている。
新しい恋にウキウキしている時の作品らしく、一点の暗さもない。
(昔々、香椎花園のメリーゴーラウンドで流れていたような気がするのは記憶違いか?)
今回は8日とは異なり歌なしの方で、ハープの譜面も省略部分なし、従って、ラスト近くの左右両手のユニゾンによる速いスケールもあったものの、そこまで速いテンポでもなかったので助かった。

◆Giacomo Puccini "Quando me'n vo" (私が街を歩くと <ムゼッタのワルツ>)
ハープの最初のハーモニクスはとても重要なので、本番で初めて弾く楽器だったりすると、どこが一番鳴るかが博打になってしまいそう。あと、指揮者をよーーく見て歌も聴かないと間抜けな出だしをしてしまうことになるので、やはり暗譜が肝要かと思われる。

◆Giacomo Puccini "O Mio Babbino Caro" (私のお父さん)
恋人との結婚を頑固なお父さんに許してもらいたいと愛らしくお願いするという歌詞で、映画「眺めのい部屋」でも使われた有名な曲。
この曲もハープがずっとアルペジオを弾き続けるのと、指揮者をよく見て歌をよーーく聴いていないといけないので、やはり暗譜が必須。短い曲でペダルも少ないのでその点は助かった。

本番日なので、朝早めにステージに到着してチューニングをしていると、今回ソリストとして来られていたピアニストの梯剛之氏もピアノに触れていた。しばらく、ステージにいたのは私と氏の2人のみ。以前、客席から氏が弾くラヴェルのピアノコンチェルトを聴いて涙が出そうになった時のことを思い出し、チューニングしようにも感慨無量で気もそぞろになってしまった。小心者なので話しかけなかった事を今さら後悔。
今回も指揮者の先生がとても感じの良い方で、楽しく演奏することができた。

20170121舞台袖には歴代のコンサートチラシ
舞台袖には歴代のコンサートチラシがたくさん。

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