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2019.08.31 Saturday

The sleeping Beauty〜Ballet in Three Acts with a Prologue Op.66

The sleeping Beauty〜Ballet in Three Acts with a Prologue Op.66
ハープの出番がある曲のみ、覚え書き。

・Introduction
弦の静かな6連符をよーく聴きながら、とても素早くアルペジオを入れていくのがスリリング。
Cのペダルを♭にして、Bの音を一部C♭に置き換えても良さそうだと当初は思ったものの、魔物が住むと云われる本番での冒険はやめることにした。

Prologue
・2. Scène dansante
 ヨハン・シュトラウスのワルツにありがちなアルペジオ伴奏。ペダルチェンジがまあまあ多いので気が抜けない。

・3. Pas de six
 チャイコフスキーらしいアルペジオが続き、最後はグリサンド。
・ VI. La Fée des lilas
 ソだけ。

・4.Finale
 冒頭、3分近く待ってから和音が続く。89〜91小節目のペダルチェンジが忙しい。この部分はオケによってテンポにばらつきがあるようだ。
 232小節目で雰囲気が変わり、グリサンドが5つ続く。1つ目はf、2つ目はp、3つ目と4つ目はpからmfへのcrescendo、5つ目はmfからのcrescendoというのを弾き分ける。ペダルを間違えないようにしなければ。
 270小節目以降のアルペジオは、たった2小節でpからfffにまでcrescendoする。

Acte
・8. Pas d'action- I. Adagio
 ハープのどソロ。今回はペダルをD♮C♮B♭E♯F♮G♯A♭にして、15-16小節目はグリサンドにした。
 その場合、19小節目に入る前に油断してペダルをE♭G♮にするのを忘れるとトンデモナイことになってしまう 笑。
 29小節目までは目立って弾きっぱなしだが、それ以降は出番なし。

・III. Variation d'Aurore
 グリサンド14小節。216小節目以降、チューニングが狂っているとVnソロとの対比でとても目立ってしまうので、当該ラシドレの4つの音は本番直前まで注意してチューニングしておいた方が無難。
・9. Scène finale
 116-117小節目の和音が意外と難しい。テンポがやや掴みづらく、音の数が多いので、つい全ての音を完璧に弾くことに一生懸命になってしまいがち。テンポが速い場合は余計に難しく感じる。
 なので、安全策としてペダルをC♭F♭にしてみたこともあるが、やはり今回の本番ではやめておいた。
 この辺りは組曲版と同じなんだけどなあ。
 ラストのハーモニクスでActe気締めくくられる。鳴らなかった時の落胆は半端ない。

  Acte II
・14. Scène
 アルペジオ、和音、アルペジオ、和音…。

・15. Pas d'action (Scène d'Aurore et de Désiré)
 和音が5つ。

・Coda
 ハーモニックスが7つと、ラストに和音が1つ。

・17. Panorama
 この作品中、3大ハープ目立ち曲の1つだと思われる。ひたすらアルペジオ。ペダルチェンジがないのが救い。pかmfしか登場しないが、オケハープのpはmfと言うので、ひたすら気合で弾いた。

・19. Entracte symphonique (Le Sommeil) et scène
 静寂の中でアルペジオと和音を入れるのだけど、曲の雰囲気的に必要以上に緊張してしまう。音も何となく弾きづらい。
 18小節目のラが♮に見えたので直前まで勘違いしてしまっていたが、実際はラは♭だったりする事に、リハ前日に気付いた。
 37-38小節目に入るときにとても静かに3つのペダルを急いで変えなければならないなど、薄氷を踏むような曲。
41-42小節目に、9の曲の116-117小節目と似た音形が入っているので、安全策としてペダルをB♯E♯にして弾くことも考えたが、今回はテンポもゆったりしていたのでやめておいた。
 141小節目に和音をバン!と弾いた後、銅鑼が鳴ったら、それはハープの出番の終わりの合図となる。

以降、やや長めの降り番となる。

 8. Pas d'action- I. Adagio、Lyra musicのオーケストラスタディにはWalter-Kuhneによる別バージョンの、結構長いCadenzaも掲載されている。これはEkaterina Walter-Kühne(1870-1930)の事だろうか?
 どこかでこれと似たCadenzaを聴いたので、もしYoutubeであればここで紹介したい。
 このオーケストラスタディ、くるみ割り人形の第14景Pas de deuxのハープ1台バージョンも紹介されている。これは弾いてみるとちょっと目が回りそうだ。花のワルツのA.Zabel版Cadenzaもあり、Cadenza10小節目までは従来型と同じだが、11-17小節目が和音になっている。これは実演を聴いたことがない。次の本番でいきなりこれを弾いたら、聴いている人は驚くだろうな。おそらく標準版で弾くと思うけど。

2019.08.03 Saturday

C弦の悪夢

 チャイコフスキー「眠りの森の美女」全曲版(の抜粋)の本番が終わった。
 いつもの備忘録として、曲目ごとのハープパートの特徴をここに書いていたはずなのだが、なぜか消えてしまっているではないか。
 おそらく、寝ぼけてうっかり記事ごと削除してしまったのだと思われる。
 思い出しながら、ゆっくり書いていきたい。
 猛暑の中、しかも多忙な中、聴きに来てくれた方の存在が嬉しかった。

***
 この曲の組曲版の方は、昔々、まだオケの経験もまだ浅い時期に弾きに行く機会があった。ハープのソロも多いので非常に緊張したのを覚えている。が、それ以上に示唆に富む出来事があった。
 当時、楽器は業者さんからレンタルしていたのだが、ステージに置いてあった楽器の弦は一本切れていた。しかも、それはドの赤い弦で、なぜかその弦のみ、替えの弦も用意されていなかった。誰かの力を借りられる状況でもなく、リハ開始時刻も迫っていたので、仕方なく別の弦を張って、赤い油性ペンで着色した。
 すぐに初めてのリハが始まり、緊張の中、真冬にも関わらず汗が流れてきた。べた付いた指先に赤いインクが移り、それが別の弦にも移り、やがてたくさんの弦が赤くなり始めた。もう生きた心地がしなかった。いったいどれがドの弦なんだ!?
 頭の中が"?"と"冷や汗"でいっぱいだったことだけは覚えているが、どの程度弾けていたのかは記憶にない。悪夢のような出来事だった。
 事情はどうあれ、楽器の管理は奏者の責任になる。弦が47本あるので、切れる可能性も47本分。でも、ある1本の弦がない状態で弾くことによるリスクは、必ずしも47分の1にはならない。曲中、全く使わない弦もあれば、その弦の音が出ないと曲が成立しないということもあり得る。でも、切れる弦というのはやはり頻繁に使用する弦だったりする。きっと、件のハープは前に借りていた方が弾いた曲ではド音が頻出だったのであろう。そして、おそらく当該楽器を私に貸し出す前からドの弦が切れており、それを替えようと思ってドの弦だけどこかに置き去りにしたままステージに置かれていたのだろうと思われる。

2019.07.19 Friday

Sleeping Beauty Op.66スコアとハープパート譜の違いなど

気づいたところだけ覚え書き。

2. Scène Dansante
31小節目、左手。スコアはレ音だけどハープパート譜はド音。

19. Entracte Symphonique (le Sommeil) et Scène
15小節目の左手。スコアもパート譜も冒頭にト音記号が書いてあるが、不要なのではないか。
18小節目の冒頭、パート譜には四分休符がない。スコアが正しい。

この曲、17小節目のラ音には♮が、18小節目のラ音には♭が付いている。
ところが、手書きのパート譜なので♭と♮の見分けが付きづらく、今日までどちらも♮だと思いこんでいた。
明日はリハだというのに、今さらながらペダル記号をあわてて書き換えた次第。

ここ数日、弾いている最中にBとEの弦が立て続けに切れた。この曲、BとEが頻出なのがよく分かる。

2019.02.09 Saturday

Pastorale

Gabriel Urbain Fauré の Masques et Bergamasques 4曲のうち、ハープが登場するのは4曲目の Pastorale。
手は暇なのだが、薄氷を踏むようなペダル操作に気を遣う。
前回別のオケで弾いた時は割とあっさり弾いた気がするが、今回は下降系の音階を粘り強くゆっくり弾くことになり、ペダルが忙しいとつい走りがちになる自分には良い練習にもなった。

今回、リハの日は初対面の方に運転して頂き、楽器を運んだ。あらゆる車を運転した経験があるらしく、往復2時間、安心して同乗させて頂けた。道中、必死で弾いても誰にも聴こえない事も多いハープに関して言及すると、聴こえていないようで音というものは何らかの形で聴こえていて、人に影響を及ぼしているものだと仰られた。良い事を言うなあ。ffffくらいの音の中で、おそらく誰にも聴こえてないと思って適当にごまかして弾いたりしていてはダメだなとつくづく思った次第。

ハーピスト控室
このイラストのように、美しく優雅に演奏したい…実態は程遠いけど(笑)

舞台設営中

本番日は朝から雪。道路が凍結して楽器が運べなくなったら大変なので、朝6時過ぎに電話で打ち合わせをした。結局1時間20分前に出発して高速道路を使い、いつものごとく会場に一番乗りできた。
遠方かつ悪天候にも関わらず意外な方も聴きにきて下さったし、団の方からは差し入れまで頂いてしまい、感謝するばかりである。

2019.02.09 Saturday

Pavane pour une infante défunte

10数年ぶりに弾くことになったが、やはり良い曲。
装飾音のような入り方をするハープのタイミングがとても難しい。ほんの少しずれただけでもお洒落じゃなくなってしまう。
最後のグリサンドは、1つ1つの音が分かるような弾き方を心掛けたが、もしあっさりと弾いてみたらどのような雰囲気になっていたのだろう。

2019.01.31 Thursday

ハープと舞台席

ウイーンフィルのように

ウイーンフィルのように

ThrowBack Thursday.
隣にいらしたスネアドラムの名手が「この椅子…偉い人か何かが来られるんですか?」などと私に訊いてくるものだから、笑いが止まらなくなって困った本番の日の朝。
背後にお客様がいると思うと、緊張もひとしお、本番中。
弾き終わった後、立ち上がって舞台下手に捌ける時、一番に舞台席のお客様たちと目が合うのは自分。何度もお互いにお辞儀をしてしまった終演後。

2019.01.30 Wednesday

スコアとパート譜と録音と

クリュイタンス/パリ管の《亡き王女のためのパヴァーヌ》を聴き比べてみた。
・1950年1月17日 シャンゼリゼ劇場録音: https://www.youtube.com/watch?v=r9ucwCGrQJg : 6分30秒
・1962年9-10月 パリ サル・ワグラム https://www.youtube.com/watch?v=eKK1lkNmmTA: 6分58秒
・1964年5月7日 伝説の日本公演 https://www.youtube.com/watch?v=htr4FeInkXA :6分44秒
・2007年12月26日 EMI Music JapanのCD https://www.youtube.com/watch?v=DyqKFwO-dwo :6分57秒

気になったのは7小節目と34小節目のハープの入り。1950年の録音は入りが半拍ほど早いように聴こえる。昔のスコアかパート譜が今とは異なっていたのだろうか(?)
少なくとも、現在見ることができるスコアもパート譜も、ハープの入りは4拍目のあとに8分休符があり、その後で弾くことになっている。但し、ピアノ独奏譜だと入りのタイミングはややアバウトな書き方をされている。

ちなみに、カラヤン/ベルリンフィルの録音(1985)だと演奏時間は7分、ナクソス・クラシック・キュレーションは6分30秒。1967年フランソワのピアノソロだと5分56秒、辻井信行デビュー10周年特別公演(2017年11月13日)は5分40秒だった。ピアノソロの方が早いのは、先日の《舞踏への勧誘》でも大いに実感した。

次は、フォーレの《パストラーレ》。
12小節目と14小節目は、スコアだと2拍目にハープが入っているが、パート譜だと3拍目になっている。前回弾いた時はスコアに合わせて2拍目に弾いたが、誰からも何も言われなかったし、出回っている各種の音源も、ハープが聴きとれるものは全て2拍目に入っているので、やはりパート譜が誤りであろう。

スコアとパート譜と録音が異なる曲で、他に記憶があるのは、Sibeliusの6番。今後も思い出したら追記していきたい。

2019.01.19 Saturday

Invitation to the Dance (orch. Berlioz)

Carl Maria Friedrich Ernst von Weber《Invitation to the Dance》(Aufforderung zum Tanze,) Op.65(orch. Berlioz)
《舞踏への勧誘》はピアノ独奏曲が有名で、オーケストラ編曲はBerlioz版と Weingartner版がある。前者はハープ2台、後者は1台で、後者の方がハープらしい奏法が多い。前者はベルリオーズの他のオケ曲と同様、ハープにピアノで弾くような旋律と伴奏を割り当てており、幻想交響曲にもあるようなピッコロやフルートとハープ2台のユニゾン下降スケールも頻繁に出てくる。(しかも、幻想より速い。)オケによって演奏テンポも様々で、演奏時間が9分台から11分台のものまである。これまで自分が主に聴いてきたのが11分台の音源だったため、今回、本番1週間前になって大多数の音源のテンポが8〜9分台であるという事実に気づき、大変な思いをした。とくに、GPと本番参加のみで臨む場合はどんなテンポで演奏されていても対応できるような事前準備が必要で、探せる限りのいろいろな音源を聴いてテンポの幅を調べておくことも大切だと心に深く刻み込んだ次第。
また、今回はハープ1台で弾くことになったため、2台分を1台で弾くためにスコアを研究して音を合成したりしてみたが、結局スピードが速すぎて2台分を完璧に合成して弾くのは難しかった。(一昨年のエルガー交響曲第1番と同じパターン…。)そもそも、他の楽器と合わせるのが難しい曲だった。ハープ2台だった場合でも、やはり完璧に合わせるのは難しかったかもしれない。アンサンブルの難しさをこれほどまでに痛感したのは久々である。
今日も客席が満席となり、何と、ステージ上に追加の観客席が設けられた。まるでウィーンフィルのコンサートのような。自分の背後にお客さんがいるという状況は初めてかもしれない。緊張した。明日もかなり緊張する仕事の日…嗚呼。

2019.01.19 Saturday

Geschichten aus dem Wienerwald

Johann Strauss op.325《Geschichten aus dem Wienerwald》
ハープは Introduktion と Nr.2,Nr.4,は Tacet。曲開始後、約3分20秒後あたりからが出番で、右手が攣りそうになる音形。Youtubeなどで見てみると 27小節目の左手はオクターヴではなく単音で弾いているハーピストも。確かに低音を弾いても客席には聴こえてこないし、リスクを減らすためにはその方が良いのかも。
全体的に見てそんなに難しい箇所はないものの、第5ワルツの伴奏の左手が少し跳躍するのでそこは弾きづらいかもしれない。
今回、Zither のパートはオケで演奏する事となった。スコアではハープの段に Arpa, später Zither と書かれている。当初、 später の意味が分からず、ハープでツィター風に弾くのかと思って焦った。ハープもツィターも同じ撥弦楽器で弦鳴楽器だが、ツィターは約30本の伴奏用弦と5〜6本の旋律用のフレット付き弦が張られていて、小さな楽器の中にギターとハープがまとまっているかのような外観。Youtubeで実演も見られるが、いかにも演奏が難しそうな楽器だ。

2019.01.17 Thursday

雑感

 明日の夜が初めての合わせ、明後日はいよいよ本番だが、ちょっと風邪気味なので、ついに禁断のエアコンをちょっとだけつけて練習してしまった。コートなしでも楽器が弾けるありがたみを実感。楽器に風が当たらないよう、風向を自分に向けたので髪が舞う。
ところが、弾けば弾くほど途中からうまく弾けなくなってきた。そもそもなぜ音を外すのか…?で、よく考えたらもう外が暗くなっていた。弦がほとんど見えていなかったためだった。今回の曲はとにかく速く、やはり弦が見えないとうまく弾けない事が分かった。まだまだ修行不足。
 そう考えると、盲目のピアニストは本当にすごい事をやっているのだと分かる。楽器は違えど、ラヴェルのピアノ協奏曲のたくさんの跳躍をものともせずに、全楽章ノーミスで弾ききる姿をこの目で見た時の衝撃。ハープのスケールが速いくらいで泣き言を言っているようでは…(汗)。
 前回の演奏会ではチェコとアメリカ、今回はドイツ・オーストリア、次回はフランスの曲を弾くが、前回と今回はペダル操作が少ない事だけは助かる。ところが、次回は手より足の方が忙しいのではないかというほどペダル操作が多い。このうち1曲を弾いた4年前以来、先ほど久々に楽譜を引っ張り出してみると、楽譜はアンテナ記号で真っ赤だった。もう楽譜への書き込みをしなくても良いのは気楽だが、本番まで3週間。4年前より確実に身も心もボケている今、あれを再び思い出して弾けるようになるのだろうか。

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