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2018.09.22 Saturday

レクチャー講座

 ピアニスト小川典子氏と青柳いづみこ氏による2人のトークショー。
 今年はドビュッシー没後100年という節目の年。来週、小川典子氏の演奏によるオール・ドビュッシー・プログラムのコンサートが開催され、今回はそのプレ企画のレクチャー講座である。
 ドビュッシーの歌曲が歌手泣かせである理由、イギリスとフランスの国民性の違い、仮面をかぶった作曲家と言われていたラヴェルの逸話、コンサートでピアノ演奏が終わって余韻を味合う数秒間にすぐ拍手をさせない方策…などなど、お2人の話がとても面白く、大勢の受講者とともに終始笑いっぱなしだった。
 来週のコンサートのような、ある意味「作曲家のカタログ」のようにして特定の作曲家の作品だけを演奏するコンサートが開かれるようになったのは実は歴史が浅く、昔はまずアリアをやって、次にピアノ協奏曲の第1楽章だけをやって、次はチェロ…などというプログラムだったらしい。また、最近でもドビュッシーだけの演奏会などと言うと、あまりホールが認めてくれない場合もあるそうだ。ドビュッシー作品には静寂を味合うような曲も多いので、観客に忍耐を強いるという側面もあるのだろう。ドビュッシーの曲は沈黙している部分も音楽で、それは日本の能にも通じる。また作品の標題もポエティックなので日本人の心にもすっと入って来る。影響を受けた日本人作曲家も数多くいる、という話をされていた。
 ドビュッシーだけでなく、ラヴェルにもたくさん言及してくれていたのも嬉しかった。
 ラヴェル自身が気に入らずに廃棄してしまった作品も、今売り出せば売れていたかもしれないのにもったいない…という話も面白いが、そもそも作曲家自身は自分の作品が優れているのかどうかが分かっていないのではないか、という難しい話にもなった。また、来週の演目≪月の光≫が入っていないことを「もったいない、あれをプログラムに入れるだけでお客さん増えるのに…」という青柳氏のつぶやきにも大爆笑が起こった。確かに、≪月の光≫は演奏時間がやや長いので、アンコールにするにも長いし、かと言って本プロに入れると他の曲が入らなくなってしまう。来週の演目から、あえて あまりにも有名な≪月の光≫を外して、あの「前奏曲集」を持ってくるところは痛快である。

 私が尊敬してやまない、完璧すぎて「欠点がないことが欠点」みたいなピアノ弾きの人が以前、小川典子氏のピアノを絶賛していたので、予てから生で演奏を聴いてみたいと思っていた。その上、その方からは青柳いづみこ氏の著書「水の音楽」も頂いたので (贈り物のチョイスまで完璧だ)、今回の両名が揃った夢のようなコラボ企画を知った瞬間に速攻でチケットを取ったのだ。今日のお2人の連弾を見て聴けたのも、とても贅沢な時間だった。来週のコンサ―トも楽しみだ。週休ゼロの週が続いているのだから、ちょっとくらい癒されに行っても罰は当たるまい。

16:00 | le concert | - | - | |

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