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2018.11.27 Tuesday

Sofia Kiprskayaハープリサイタル

ソフィアキプルスカヤ氏のCD
サンクトペテルブルク・マリインスキー歌劇場管弦楽団の首席ハーピストである、ソフィア・キプルスカヤ氏のハープ・リサイタル。
超絶技巧で、しかも熱い。
ロシアのあまり知られていない作品の演奏も聴ける希少な機会だった。
ハーモニックスをあのスピードで連打できるなんて。
なぜこれだけの難曲たちを暗譜で弾けるのだろう。
途中でチューニングなどはしていなかったが、最後まで音程が安定してる楽器も素晴らしい。
冒頭で、ちゃんと日本語で挨拶してくれるところも素敵。

・J.S.バッハ/トッカータとフーガニ短調BWV565
 ハープソロ版もかっこいい。要所で弦の下の方を弾くなど、メリハリのある構成。
・ツァーベル/噴水
 アルペジオで水の動きを表現するところは、アッセルマンの有名な「泉」と似ているけど、こちらも歌い始めたくなるような名曲。
・キクタ/チャイコフスキー 歌劇「スペードの女王」の主題による幻想曲
 かなり個性的な曲。特殊奏法のオンパレード。低弦を弾きながらペダル操作で金属が軋むような音を鳴らしたり、凄まじい勢いで共鳴板を叩いたり、弦を手のひらで叩いて銅羅のような音を出したり…
・キクタ/ムソルグスキー/モスクワ川の夜明け
 「ホヴァンシチーナ」の「前奏曲」として知られる曲。キクタさんの編曲をハープで弾くのは相当難しそうだ。
・ドビュッシー/アラベスク第1番&第2番
 第1番を弾き終えた後、間髪を入れず第2番を弾き始めたのは、観客の拍手対策だろうか(笑)
・グリンカ/ハープのためのノクターン
 いつ聴いても名曲。グリンカのノクターンは2曲あり、今日の演奏は変ホ長調の方だった。ヘ短調の方も含め、元々はピアノ曲であるにも関わらずハープ編曲の方が知られているそうだ。
・ベッリーニ/歌劇「ノルマ」の主題による幻想曲
 古代ガリア地方の、ドルイドの巫女とローマ総督の悲劇的な恋を描いたオペラ曲。そう、プログラム後半の白いドレスがまるでドルイドのようにも見えた(?)のだが、狙ったのだろうか(個人の感想です)。
<エリザヴェータ女帝図書館の秘蔵曲>
 作者不詳/2つの小品
 ボクサ/5つの前奏曲
 クルンプホルツ/ハイドン交響曲53番より「アンダンテ」の変奏曲
 ロッシーニ=ボクサ/歌劇「タンクレーディ」よりアリア
 この4曲だけは楽譜を見て演奏。一瞬楽譜が見えたのだが、清書されていなさそうな、細かい手書きの原本の画像ファイルをそのまま印刷したかのような楽譜に見えた。
サンクトペテルブルクにあるロシア美術史研究所で発見された、エリザヴェータ女帝のノートにハープの楽譜が多く見つかったそうだ。また、演奏会プログラムでは奏者自身による曲目解説として、フランスで生まれ、エラール式ハープを広め、世界中を回りオーストラリアで亡くなったボクサの波乱万丈な人生にも言及していた。
・スメタナ/モルダウ
モルダウはこれまで聴いた実演の中で、一番良かった。何というか、技巧面で完璧なだけでなく、情熱が感じられる。ヴァレリー・ゲルギエフ氏もこの情熱に引き込まれたのかも。
アンコールは、マックスウェル/引き潮
これだけ有名な曲でありながら、人が弾いているのを生で聴いたのは今回が初めてだ。意外とコンサートでは演奏されない曲なのだろうか(?) 私も仲間の結婚式や地域の文化祭で弾いたことはあるが、なぜかコンサートホールでは弾く機会はなかった。

前半の黒ドレスもシックで良かったが、後半の白ドレスでハープを弾く姿が神話の挿絵さながらだった。耳と目と心の保養。
サイン会で、хорошо、спасибо! と声をかけたらThank youと返された。
CDにも英語のメッセージを書いてくれた。
なんと、サイン会では撮影OKだったので、お言葉に甘えて写真も撮らせてもらった。ハープの演奏が素晴らしいだけでなく、美形でかわいらしいので写真も美しい。天はいったい何物を与えるのだろうか。

22:00 | le concert | - | - | |

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