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2019.08.03 Saturday

C弦の悪夢

 チャイコフスキー「眠りの森の美女」全曲版(の抜粋)の本番が終わった。
 いつもの備忘録として、曲目ごとのハープパートの特徴をここに書いていたはずなのだが、なぜか消えてしまっているではないか。
 おそらく、寝ぼけてうっかり記事ごと削除してしまったのだと思われる。
 思い出しながら、ゆっくり書いていきたい。
 猛暑の中、しかも多忙な中、聴きに来てくれた方の存在が嬉しかった。

***
 この曲の組曲版の方は、昔々、まだオケの経験もまだ浅い時期に弾きに行く機会があった。ハープのソロも多いので非常に緊張したのを覚えている。が、それ以上に示唆に富む出来事があった。
 当時、楽器は業者さんからレンタルしていたのだが、ステージに置いてあった楽器の弦は一本切れていた。しかも、それはドの赤い弦で、なぜかその弦のみ、替えの弦も用意されていなかった。誰かの力を借りられる状況でもなく、リハ開始時刻も迫っていたので、仕方なく別の弦を張って、赤い油性ペンで着色した。
 すぐに初めてのリハが始まり、緊張の中、真冬にも関わらず汗が流れてきた。べた付いた指先に赤いインクが移り、それが別の弦にも移り、やがてたくさんの弦が赤くなり始めた。もう生きた心地がしなかった。いったいどれがドの弦なんだ!?
 頭の中が"?"と"冷や汗"でいっぱいだったことだけは覚えているが、どの程度弾けていたのかは記憶にない。悪夢のような出来事だった。
 事情はどうあれ、楽器の管理は奏者の責任になる。弦が47本あるので、切れる可能性も47本分。でも、ある1本の弦がない状態で弾くことによるリスクは、必ずしも47分の1にはならない。曲中、全く使わない弦もあれば、その弦の音が出ないと曲が成立しないということもあり得る。でも、切れる弦というのはやはり頻繁に使用する弦だったりする。きっと、件のハープは前に借りていた方が弾いた曲ではド音が頻出だったのであろう。そして、おそらく当該楽器を私に貸し出す前からドの弦が切れており、それを替えようと思ってドの弦だけどこかに置き去りにしたままステージに置かれていたのだろうと思われる。

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