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2019.09.01 Sunday

トムとジェリーとオーケストラ

 不朽のアニメーション映画「トムとジェリー」を、生のオーケストラやジャズバンドの演奏と、時おり大スクリーン上にトムジェリの実際の映像を映しながら楽しむという、とてもレアなコンサートに行ってきた。
 「トムとジェリー(Tom and Jerry)」は、アメリカのメトロ・ゴールドウィン・メイヤー (MGM) に所属していたウィリアム・ハンナ (William Hanna 1910-2001) とジョセフ・バーベラ (Joseph Barbera 1911-2006) により作られた短編アニメーションで、2020年で誕生80年となる。これに先立ち、今年は東京と大阪でトムジェリ展が開催されたり、渋谷では音楽劇も上演される。
 来ている人の年齢層もかなり幅広かった。トムジェリも昔のと最近のとでは絵柄も雰囲気も異なっているが、これほど多くの年代の人が見ているアニメって実はそんなに多くはないだろう。
 音楽と、あの緻密なアニメーションの動きをシンクロさせる。しかもオーケストラで!難易度高っ。
たとえアニメの内容を全て憶えていたとしても、音楽そのものは先が見えない曲が多いので暗譜も難しそうだ。ストーリーに合わせたBGMではなく、動物や人間の動作に合わせた曲が大半なのだから。
 やはり、アニメを見て曲を合わせていたらどうしても遅れてしまうので、少し早めに弾くくらいの勢いで合わせないとダメらしい。
 ひとりで演奏するならまだしも、全員で…となると、これはかなりの難易度だろう。
 80年も前にどうやってこのアニメ映画を作ったのか、長年不思議に思っていたが、何か特別な裏技や機械があったわけでもなく、やはり製作に携わった人たちが天才だったとしか言いようがない。

 ナビゲーターは、いま人気の声優さん、駒田航氏。劇中のナレーションだけでなく、ブルおじさんの声も担当するなど、さすが声優さん。
 解説者の上水樽力氏は、東京芸大でトムジェリ音楽を研究し博士号まで取ってしまったという。なぜトムジェリにクラシック曲が多用されているのかというと、クラシック音楽のようにトムジェリも名作として後世にずっと残ってほしいという願いが込められているそうだ。作曲家スコット・ブラッドリー(Scott Bradley 1891-1977)がいかに天才であるかを語っておられたが、スコット氏は作曲もオーケストレーションもど独学で身につけたというから驚きだ。
 指揮者の竹本泰蔵氏と東京交響楽団、ジャズドラマー黒田和良氏率いるジャズバンドの演奏、ともに圧巻だった。いったいどうやって練習していたのだろう。練習風景を見てみたかった。
ジャズの方は、とにかく休みなくずーっとドラムをたたき続けなければならないそうだ。(一回のライヴでどのくらいのカロリーを消費するのだろう…笑。)
 CHIAKi氏のピアノもパワフルかつコミカルで素晴らしかった。これぞ、人を元気にする演奏。各種キッチン用品や空気でっぽうのような物を使って、劇中の効果音も担当していた。
 ピアノの譜面台の横にも映像を映すモニターらしきものが見えたが、楽譜と手元とモニターを見て合わせるなんて目が回りそう。楽譜の方は暗譜だったのかもしれないが。

 ヨハン・シュトラウス「こうもり」序曲はハープは降り番の曲だが、トムジェリではこの曲の途中で効果音としてハープのグリサンドが入るので、今回もしっかり乗り番となっていた。
 他にも、ニューイヤーコンサートでおなじみの「美しき青きドナウ」といったワルツが演奏され、ハープも舞台下手ではなく、上手に近い、コントラバスの前方あたりに置かれていた。後半は全降りだったらしく、休憩時間にステマネらしき人が一人で担いで袖に運んでおられた。
トムとジェリーとオーケストラ
プログラムは下記のとおり。
・「ただいまお昼寝中(Quiet Please!)」1945
・「ワルツの王様(Johann Mouse)」1953
・「星空の音楽会(Tom and Jerry in the Hollywood Bowl)」1950
・特別コーナー:大解剖「トムとジェリーの音楽」
・「土曜の夜は(Saturday Evening Puss)」1950
・「ネズミとり必勝法(Mouse Trouble)」1944
・「ピアノ・コンサート(The Cat Concerto)」1947

21:00 | le concert | - | - | |

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