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2019.10.16 Wednesday

Dang Thai Son Piano Recital

 ダン・タイ・ソン氏が弾く、ショパンの舟歌の実演が聴けると知り、速攻でチケットを取ったのはかなり前の事だったが、それでも良い席は既に全て埋まってしまっていた。
 紀尾井ホールで演奏された曲目は、以下のとおり。
・シューベルト Franz Schubert(1797-1828):ピアノ・ソナタ第15番ハ長調「レリーク」 Piano Sonata in C major,D840 Reliquie
・ショパン Frédéric Chopin(1810-1849):3つのワルツ  3 Waltzes
   変イ長調 「告別」 Valse No.9 "L'adieu" As-Dur Op.69-1
   ヘ長調  Valse No.4 F-Dur Op.34-3
   嬰ハ短調 Valse No.7 Cis-moll Op.64-2
・ショパン Frédéric Chopin:マズルカ風ロンド ヘ長調 Rondo à la Mazur Op.5
・パデレフスキ Paderewski Ignacy Jan (1860-1941) :4つの小品 Miscellanea
   メロディ Melodie Op.16-2
   伝説 Legende Op.16-1
   夜想曲 Nocturne Op.16-4
   メヌエット Minuet in G  Op.14-1
・ショパン Frédéric Chopin:舟歌 嬰ヘ長調 Barcarolle Fis-Dur Op.60
・ショパン Frédéric Chopin:ボレロ ハ長調 Boléro C-Dur Op.19
・ショパン Frédéric Chopin:スケルツォ 第2番 変ロ短調 Scherzo No.2 B-moll Op.31

アンコールは下記3曲。
・ドビュッシーClaude Debussy(1862-1918) 前奏曲集第1集より Préludes 1
   8.亜麻色の髪の乙女 La fille aux cheveux de lin
   11. パックの踊り La danse de Puck
・ショパン Frédéric Chopin マズルカ Op.17-4 イ短調 Mazurka No.13 A-moll

  あれほど情趣あふれる演奏をしているのに、身体を大きく動かしたり揺らしたり鍵盤に向かって前のめりに演奏するようなことは全くなく、むしろ淡々と、引き気味な姿勢で弾いていたのが印象的だった。演奏中、時おり、え?と思うようなタイミングで軽く座り直したりする姿も含めて、とても自然体だった。弾き終えた後、拍手の中でいったん舞台袖に引っ込み、またすぐ戻ってくるけど舞台下手側の真ん中あたりでお辞儀をしてまた袖に帰っていく…というスタイルが、これまた自然。アンコールの、パックが消えていく様子も自然。

  氏がショパンコンクールでアジア人初の優勝者となったあと、どこかで開催されたコンサートの録音を私が聴いたのが数十年前。それ以来、(あくまでも個人的な好みで言うと)これを超える舟歌の演奏は出て来ていないので、今回のコンサートは非常に楽しみであり、かつ不安でもあった。私が当時聴いた録音には、舟歌の前半部分で観客の誰かが落としたのか(?)、ジュースの缶か何かが落ちるような派手な騒音も入ってしまっていたので、今回はノイズがない生音が聴けるという期待感。そして、やはり数十年もの月日を経て演奏は変わってしまっているのではないだろうか、という不安。

 しかし、何と、演奏はほとんど当時と変わっていなかった。最後の最後の部分のタメはややあっさりしていたものの、これまで何百回も聴いた録音の実演をそのまま聴けたようなもので、もう感動し過ぎて、翌日あたりまでぼーっと過ごしてしまった。
 演奏会後、サイン会があったので、あつかましくも持ってきていた舟歌の楽譜の表紙にサインしてもらえた。涙、涙。
 舟歌を聴いていた当時、自分でもよく弾いていたパデレフスキのメヌエットやショパンのワルツも今日聴けたので、思いがけず時間旅行気分も味わえたし、もう今年の演奏会はこれでおしまいにしようかと思うほど感激している。(自分が出る演奏会はあるけど…17曲くらい…汗。)


23:55 | le concert | - | - | |

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