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2008.01.23 Wednesday

「ソクーロフと戯れる」

「ヴィオラ・ソナタ」を見る前に、ちょっと美容院へ。美容師さんに、これからどこへ行くのかと質問されたことから、話題はソクーロフ作品に。美容師さん曰く、映画通の友人が「太陽」のイッセー尾形氏の演技を絶賛していたので、「太陽」はぜひ見てみたいんですよ〜、とのこと。

確かに、すごくハマり役でしたよ〜。風貌も、写真でみる当時の天皇にソックリなんだけど、座っているだけで、これでもか!というくらい人間臭さを醸し出していて。
いきなりMPと鶴が出てくるシーンとか、そこに隠されている(かもしれない)符牒をあれこれ考えるのも楽しいですし。未だに疑問なのは、戦時中の書き言葉では、"桜"と書くシーンは"櫻"じゃなくても良いの?という点。もしかして、これにも深い意味が隠されていたのかも(?)。
映像としてとても印象的だったのは、(不謹慎ながら)、空襲のシーンで、炎を反射しているかのような赤紫色の空を、巨大な美しい魚が悠々と泳いでいるシーン。非常に美しい!

なにげなく登場する人物や小物や音楽などが、実は何かを象徴していて、メッセージを発信しているというのは、寝ている時に見る夢にも通じるものがありません?「エルミタージュ幻想」を夢見心地で何度も見てしまうのも、そのせいだったのかしら。もっとも、この映画は、見ながら本当に寝てしまった人の方が周囲に多かったですが(笑)

…なーんて話を美容師さんにしようかとも思いましたが、そんな時間は残念ながらありませんでした。

というわけで、前置きが異様に長くなってしまいましたが、「ヴィオラ・ソナタ」は、ショスタコーヴィチが自分で唯一聴くことができなかった遺作。ピアノの非常に低い音を中心とした重々しい伴奏に乗って流れる、ヴィオラの美しい旋律。
ショスタコーヴィチが亡くなったのが1975年、この「ヴィオラ・ソナタ」が完成したのが1981年。その内容から、公開はペレストロイカまで禁止されていたという、いわくつきの作品なのだそうです。
ショスタコーヴィチは、ショパンコンクールに出場して、ポーランドでも絶賛されるほどのピアノの名手だったらしく、若い頃にやっていたという映画の即興伴奏も、臨場感あふれる即興は圧巻。早くから頭角を表し、才能を認められていた天才でも、やはり逆境に置かれることもあれば、親しい人の死だって訪れるし、国を覆っている状況と本人の思想が合わずにうまくいかないことだってある。そんなストーリーでも、全く悲愴感のない映画で、やはり今回も"夢見心地で"見ることができました。

雪のせいか、観客は30名弱程度。老若男女、いろんな人が来ていました。
なお、この"ソクーロフと戯れる"で7作品を見て、2/2に公開される「牡牛座 レーニンの肖像」も見た人の中から先着60名に、ソクーロフ監督直筆サイン入りポストカードがもらえるそうです。

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