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2019.08.01 Thursday

151年前の手紙

 ケンブリッジ大学のアーカイブに、私の祖先が書いた手紙が1通だけ所蔵されている事を知ったのは5年以上前だった。
 神戸から香港に向けて書かれたビジネスレターで、原書は閲覧不可。マイクロフィルムに収められているという。
 写しを入手したいと願いつつ、渡英できないまま時は過ぎた。オンラインで入手できると知ったのは、ちょうど1週間前。
 アーカイブ担当者からのメールによると、資料を注文後、見積金額の連絡が届くまでに10営業日程度、その後手元に届くまで30日程度を要する旨が記載されていたが、結局、問い合わせから1週間もかからずに受領できた。
 対応が迅速かつ無駄がなく、一連の流れが鮮やか過ぎて眩しいくらいだった。

 明後日はオケ本番だというのに、練習をちょっと後回しにして、ドキドキしながら写しのTIFFファイルを開いてみた。
 画像は汚損もかすれもなく、とても鮮明だった。
 しかし……解読できない!
 手書きの筆記体なのだが、読めないところが多々ある。それもそのはず、よく見るとドイツ語の筆記体で英文を書いていたのであった。
 読めない理由は、もちろんそれだけではない。私の祖先の字が達筆?なのか雑なのかよく分からないが、クセがあって読めないのだ。ついでに取り寄せた他のビジネスパートナーたちの手紙は判読できるのだが。
 手紙の冒頭には、1868年1月4日と書かれている。つまり、神戸開港の3日後に書かれた手紙という事になる。当時は開港したばかりで、神戸港周辺には運上所と埠頭3箇所、倉庫が3棟しかなかったはず。一体、神戸のどこでこの手紙を書いたのだろうか。

 現在、米国の人とお互い夜中にメールを送り合いながら進めているプロジェクトは、結局は英国を中心に展開しつつある。本当はドイツの方で展開したかったのだが、ドイツは個人情報保護がとても厳しくて、諸々困難なのだそうだ。
 自力でできる事には限界があるけれど、協力してくれる人がいると心強い。そう言えば、以前問い合わせをしたD大学の人も快く協力してくれて、結局問題解決には至らなかったが、親身になってくれたので非常に感動した。一方、都内某R大は切り口上で、こちらの既読の文言をコピペしただけのメールが返ってきて終わった事を思い出す。
 大学によって独自のカラーがあるようだ。もちろん、担当者によるのかもしれないけど。

 151年前の手紙も、誰かに解読してもらう事になるのだろうか。Webには掲載できないので知恵袋には投稿できないし…ううむ。

2019.07.24 Wednesday

810年の歴史

 梅雨は明けないし、何をやっても壁にぶち当たった挙句、貴重な方には連絡が届かないまま亡くなられてしまうという、閉塞感に覆われた1ヵ月間だったが、今日は久々に進展があった。
 以前までは受け付けていなかった気がしたのだが、ケンブリッジ大学の図書館にあるマイクロフィルムの写しをオンラインで取り寄せる事が出来るというではないか。
 5年以上前、上記に重要なデータが収録されている事が判明した。しかし、マイクロフィルムの場合、必要な箇所がリールのどのコマにあるのか、特定が難しい。当時もメールで問い合わせたが、やはり実際に出向かなければならないという話になった。とは言え、なかなか英国にも行けないので、英国出張に立ち寄る人にお願いした事もあれば、フリーランサーの某サイト経由で英国在住の人に話をもちかけた事もあった。しかし、前者は時間と距離の都合で同大学には立ち寄れず、後者からは返信すら来なかった(そもそも何ヵ月もサイトにログインすらしていなかったようだが)。他にも英国に行く人はいたが、みんな忙しそうだったので遠慮していた。
 いつか自分で英国に行って調べようと思っていたが、今日何となくメールで問い合わせてみたら、リファレンスの方から非常にスピーディーで的確な返信が届いた。オンラインの注文サイトがあります、との事。しかも、短時間にマイクロフィルムのコマの該当箇所まで調べてくれていて、注文方法なども含め、必要な情報が簡潔なメールに全て網羅されていた。さすがケンブリッジ大学、810年の歴史!
 アーカイブのWebサイトもユーザーフレンドリーで、資料の権利関係も含めて必要な内容が整然と記載されていた。おかげですんなり注文できた。途中、操作に戸惑うことも全くなかった。某Faceb〇〇kとは大違い。

 Webサイトの内容があまりにも豊富なので、デジタルデータにも見入ってしまった。神戸居留地の写真もあり、感激。
   https://cudl.lib.cam.ac.uk/view/PH-Y-30377-C/72

 米国在住の方とも調査を進めているけれど、こちらはおそらく進展しなさそうなので、時差のため夜中にメールが届く日々もそのうち終わるだろう。しかしながら、日本国内の仕事のメールも夜中に届いたりする。日本人は働き過ぎ!?

20:00 | histoire | - | - | |
2019.07.23 Tuesday

長6度上昇旋律にはグリサンド

 弦が立て続けに切れて、予備弦が1本もない音も結構あったので、VanderbiltMusicに注文した。
 先日も書いたが、とくに最近は弾いている最中に切れることが多くビビッていたところ、切れまくっているのは、ミとソとシの弦ばかりではないか、
 いったいなぜなんだろう。ミソシ音だけ力を入れて弾いてしまっているのだろうか(そんなに器用ではない。)
 ホ長調のアルペジオをたくさん弾いた?(確かにホ長調とト長調のトニックコードのアルペジオはたくさん弾いた。)
 もしや、ミソシのメカニックに何かが起こっている?

 ソとミの弦を注文している時にふと思い出したが、ソ〜ミ〜♪というように、長6度の音程で上がる旋律が含まれる曲はこの世にたくさんあるらしい。確かに、美空ひばり「川の流れのように」、クリスタルキング「大都会」など、日本人の誰もが一度は耳にしたであろう有名な曲。曲を聴いていて、長6度上がると高揚感、というか、世界が広がっていくような感覚がするが、ポピュラー曲の場合はとくに、この上昇部分でよくハープの上昇グリサンドが効果的に添えられているような気がする。まあ、曲によって効果は様々で、たとえばショパンの有名なノクターン変ホ長調の冒頭とかに添えたら台無しだけど。

23:55 | Harpe | - | - | |
2019.07.19 Friday

Sleeping Beauty Op.66スコアとハープパート譜の違いなど

気づいたところだけ覚え書き。

2. Scène Dansante
31小節目、左手。スコアはレ音だけどハープパート譜はド音。

19. Entracte Symphonique (le Sommeil) et Scène
15小節目の左手。スコアもパート譜も冒頭にト音記号が書いてあるが、不要なのではないか。
18小節目の冒頭、パート譜には四分休符がない。スコアが正しい。

この曲、17小節目のラ音には♮が、18小節目のラ音には♭が付いている。
ところが、手書きのパート譜なので♭と♮の見分けが付きづらく、今日までどちらも♮だと思いこんでいた。
明日はリハだというのに、今さらながらペダル記号をあわてて書き換えた次第。

ここ数日、弾いている最中にBとEの弦が立て続けに切れた。この曲、BとEが頻出なのがよく分かる。

2019.07.05 Friday

夜クラシックVol.21

 吉野直子氏のハープと、上野星矢氏のフルートのデュオコンサート。
 ハープを使うデュオ曲で誰もが知る名曲の数々を、これでもか〜!というほどたくさん聴ける機会は、それほど多くないように思う。
 開演の時刻、ホールの照明が全て落とされた。ほとんど真っ暗な状態で、二人がステージの定位置につく。そのあとすぐ1曲目の演奏が始まった。 つまり、最初の拍手はなし。何かの意図があったんだろうか。

・Clair de Lune (Claude Achille Debussy)
 聴きに行く前は、果たしてベルガマスク組曲の方なのか、それとも歌曲なのかを知らなかったので、少しわくわくした。
 結局、演奏されたのはベルガマスク組曲の方だった。この「夜クラシック」のテーマ曲らしい。
 この「月の光」、当初の曲名は「感傷的な散歩道」だったそうだが、もしそのまま曲名が変わっていなければここまで有名な曲たりえただろうか。うーむ。でも、やはり曲名によらず有名になっていただろうな。
 ピアノやハープのソロも良いけど、フルートとのデュオも名曲。

・Clair de Lune (Gabriel Urbain Fauré)
 こちらも前の曲と同様、ヴェルレーヌの詩に関わる曲。フォーレらしい、夢みるような旋律。

・Sicilienne (Gabriel Urbain Fauré)
 どのくらいのテンポで弾くのだろうかと思っていたら、オーケストラでよくあるテンポだった。
 つくづく、良い曲だなあ。
 ペダルが結構面倒な曲なので、ペダルワークをよーく見たかったけれど、今回のホールはステージが高いところにあり、私の席からだとかろうじてDのペダルが見えるにとどまった。

・Vocalise - étude en forme de habanera(Joseph-Maurice Ravel)
 暑く気怠い雰囲気の曲。フルートのトリルの後とか、間の取り方が洒脱。フルートとハープが低音に移ったあとの切り替えがまた良い。

・Sonate pour flûte et harpe(Jean-Michel Damase)
 圧巻の全楽章。ハープの音数もすごいし、ペダルで死ぬ曲なのに。とくに、フルートの音数がとても少ない部分で、ハープの速いアルペジオが続く部分など、それはそれは大変だろうけど、ぴったり合っていた。
 楽章間の拍手…気持ちはすごく分かる。それくらい圧倒されてしまう。

・Syrinx(Claude Achille Debussy)
 フルート独奏。水辺で葦笛を吹く、神話の光景が目に浮かぶよう。

・12 Fantasias for Flute without Bas 〜 No.10 & 12(Georg Philipp Telemann)
 フルート独奏。この曲だけドイツの作曲家、時代も古い。フルートのことはよく分からないけれど、何やらごまかしがきかなさそうな曲…しかし、拍手がとても大きかった。

・Féerie : Prélude et danse (Marcel Lucien Tournier)
 ハープ独奏。吉野さん、この曲だけは楽譜なしで弾いていらした。合奏の曲だけ楽譜をかなり緻密に見ながら演奏されているのは、打ち合わせた内容などが細かく記載されているのだろうか。
 トゥルニエの師匠・アッセルマンが亡くなった1912年に作曲されたこの曲、初めて聴いたけど、とても美しい。
 音の粒のきらめきが、人が楽器を演奏して鳴らしている音というよりは、まるで自然に存在している粒子が空を舞っているかのよう。

・Beau soir (Claude Achille Debussy)
 原曲はポール・ブルジェの詩による歌曲。オトナの曲〜なぜか、高級ワインの入ったグラスごしに美しい満月が見える、というシーンが目に浮かんできてしまう。

・Nuits d'étoiles(Claude Achille Debussy)
 原曲はテオドール・ド・バンヴィル(1823-1891)の詩による歌曲。
 和音がとても多くて、それが星の瞬きを思わせるのだけど、和音って弾きにくくてきれいに響かせるのは難しいんだよなあ…。

・Carmen 〜seguidilla, Intermezzo, Habanera (Georges Bizet)
 オケなどで有名な曲。間奏曲以外、デュオ版は初めて聴いた。レパートリーとして持っておくと便利そう(当然、誰もが知っている曲なので間違えたら目立ち過ぎてしまうけれど)。

 今回の曲目は、フルートソロのテレマンを除いては、オール・フランス作品。つまり、ハープの足元がとても忙しいはずなのだけど、ペダルの音が聞こえてこない、ただそれだけでもどれだけすごい事か。やはり、王者の貫禄!
 吉野さんのすごいところは他にもあって、曲間に軽くチューニングする際、チューニングハンマーを取り付ける時に楽器の右側面を見ずにできる事だ。毎回驚かされる。

 休憩時間中、ステージ上の楽器を見ようという人が10人ほど前方に集まってきて、一人が撮影を始めた。すると他の人もつられて撮影しようとして、すぐさまホールスタッフの人が静止していた。それでも、後からまた人が見に来るので、スタッフの人はステージ前にずっと貼りついていらした。(私も実は撮りたかった。)
 フルートとハープの組み合わせだと、サロンコンサートや小ホールというパターンが多そうだけど、今回は大ホールだった。超人気のお二人なので、小さい箱だとお客さんが入りきれないだろう。私は前から6列目で聴いていたが、とても響きが良かった。こんな満席に近い状態の大ホールで、最後列だとどのように聴こえていたのだろう。
 ■
 昔、ピアノの発表会、オーケストラのハープ、フルートとハープのデュオ、ヴァイオリンのピアノ伴奏…などで弾いた事がある思い出の曲ばかりだったので、客席から名演を聴きながらとても懐かしくなった。一緒に弾いたあの人や、聴きにきてくれたあの人は、もうこの世にいないのだと思うとちょっと寂しいけど。
 いつ聴きに行っても、ほほ〜んと心地よくなるハープの安定感と、表情豊かなフルート。誰かが「細胞が癒される〜」と言っていたが、完全に同意。また聴きに行きたい。
 隣の席に、ピアノをされているという方と、フルートをされているという娘さんがいらして、少し会話した。フルートをやっているのかと聞かれ、ハープをやっていると話すと驚かれ、いろいろ質問を受けた。お母さんのピアノ伴奏で娘さんがフルートを弾く。そんなご家庭なのだろう。いいなあ。

21:30 | le concert | - | - | |
2019.06.23 Sunday

片手ずつか両手か

 左肘の手術後、3日間練習をサボってしまった(1日目は患部を固定していたため。それ以降は、傷口が痛んだとかではなく単なるサボり)。3日後からは全く問題なく練習できている。当日の夜は少々寒くて多少傷口も痛かったが、結局は痛み止めも飲まなかった。
 左手がつらければ、治るまで右手と両足だけの練習をしようと考えていたが、杞憂に終わった。

 ピアノやスポーツでも時おり話題になる「片手で完璧に弾けるようになるまで練習したあとで両手で弾く練習をする」のと、「ある程度譜読みできたら、早めに両手での練習を開始する」のはどちらが早く弾けるようになるか、という問い。2006年10月に発表された「運動習得は片腕と両腕では大違い ?片腕運動と両腕運動では異なった脳内過程が運動学習に用いられることを解明?」という研究発表によると、「一見同じようにみえる片腕運動時と両腕運動時の右腕もしくは左腕の運動が、行動レベルで本質に異なっている」「運動学習の観点からすると、片腕だけで動かすか、両腕を一緒に動かすかで、同じ腕が一部異なった人格を持つかのように振る舞う」とある。
 以前テレビ番組でも検証されていたが、ピアノ演奏に関しては、両手での練習の方が早く弾けるようになっていた。自分自身を振り返っても、譜読みが難しい曲の着手時は片手で練習することもあるものの、結局は最初から両手で弾いたほうが早かった。いくら片手で完璧に弾けても、両手だと頭の中で曲と動作が結びつかないのである。
 また、ペダル操作に関しては、右足だけ、左足だけの練習などはボケた自分の頭には非常に難しい…というか、別の意味で頭の体操、ボケ防止にはなっているのかもしれない。右手と左足だけ、とか、左手左足だけ、といった練習は、老後の更なるボケ防止のために取っておきたい。

2019.06.17 Monday

神霊矢口渡

神霊矢口渡
 平賀源内が義太夫浄瑠璃まで残しているとは知らなかった。しかも、ペンネームが福内鬼外だなんて。
 前半は喜劇そのもので、客席からも笑い声が絶えなかったが、後半から終盤にかけてのドラマの盛り上がりは圧倒的。とくに、お舟が途中で"人形振り"(腰を動かしてはいけないらしい)に切り替わり、また元の人間としての演技に戻り、終盤までの熱演が迫力満点で目が離せなかった。ロボットの動きはこないだ"GEAR"で見たが、同じ"人間ではない動き"でも似て非なる難しさ、稽古の苦労がありそう。筋肉痛など大丈夫なのだろうか。
 お舟が太鼓を叩くシーンは、乱れ髪の八百屋お七が彷彿として浮かんだ。同じようなシーンでも、危険をやらかして機会を窺うのと、必死で相手を守ろうと奮闘するのとでは全然違うなあ。
 そう言えば、客席からステージに上がったお客さんが見得を切るのがすごく上手だったのには笑った。

2019.06.08 Saturday

閉所で聴く音楽

 PET-CTとMRIとCTを撮ってもらった。
 今回が初めてではないが、閉所恐怖症なので、もはや修行に行く気分。あの狭い筒の中で数十分間も静止し続けるのは辛いところ。毎回、涙目になりながら、少しでも別の事に意識を向けて恐怖から逃れるのに必死である。
 幸い、室内にはBGMが流れているので、耳をそばだててそちらに意識を向けることは可能である。

 PET-CTの時はグノーのアヴェ・マリア、アダンの Minuit,chrétiens などが流れていた。昔弾いた曲ばかりだったので、曲の伴奏をするようなイメージでわずかに指を動かしながら気を紛らわし、ひたすら時が過ぎるのを待っていた。すると、静かな曲の次に、突然、バリトンの曲が流れ始め…弾いたことがない曲だったし、突然の呻き声のような低音ボイスにびっくりしたので軽く混乱。結局、終わるまで涙目で過ごした。
 次はMRI。こちらは、BGMさえもかき消してしまうような、あの実験音楽のような音。コイルが伸縮したり、磁場を発生させるスイッチのON/OFFを何度も繰り返すことによって生じる音たち。かと言って、BGMをヘヴィメタにしてもかき消されるような音ではない。
そこで今回は、リコーダーやオカリナとギターに鳥たちのさえずりが入ったリラクゼーションミュージックに意識を向けつつも、機械音の音程を取ったり数を数えたりして気を紛らわせるという作戦をとった。楽譜に起こせたら楽しいのだが、何分の何拍子なのか、小節の区切りはどこなのか…などと考えると結構難儀な作業で無理だった。ちなみに、全ての音は数えられなかったが、ド、ファ、ソ、シの音が多用されていた。真面目な話、楽譜に起こして、それをハモらせたり、フィルを入れたり伴奏を付けたりして一つの美しい楽曲にしてしまうようなBGMがあったら楽しいのだが。音の種類的に、少なくとも癒し系の音楽には出来なさそうではあるが。

 資料映像などでPETやMRIを受けている人の様子を外から客観的に見ると、どこが怖いのか全く分からない。ところが、いざ自分があの筒の中に入るとなぜ不安になるのだろう。
 世の中には同じ思いをしている人も結構多いと聞く。なので、前日にわざと徹夜して本番で眠ろうとする人もいれば、そもそも撮らないという人もいるそうだ。
 自分の場合は、元々めまいが顕著なので、狭くて空間の把握がし辛い場所に固定されると自分の姿勢が把握できなくなるせいかもしれない。この、人体の加速度センサーの不具合が耳にあるのか脳なのかは分からないが、もし脳由来のものであれば今回のMRIの結果から判明するかもしれない。もしも精神的な理由による恐怖感であれば、これは果たしてどうすればいいのやら。

2019.04.27 Saturday

BONE MUSIC展

レントゲン写真レコード
初日の今日、さっそく見て来た。
ロシアがまだソビエト連邦だった頃、国家は音楽を含めたあらゆる文化を厳しく検閲し、統制してきた。ジャズやロックなど、西側諸国に関わる文化、時にはロシアの一部の音楽でさえも徹底的に排除された。
今、携帯やPCさえあれば、24時間いつでもどこでも世界中の音楽が聴けるような環境にいる者にとっては想像すらできない世界。
そんなソビエト時代、病院で不要になったレントゲン写真を丸く切り取り、溝を掘り音楽を刻んだレコードが秘密裏に作られていた。製作が発覚した者は容赦なく投獄されたという。
他にも、プラスチックや絵葉書のレコード、様々なソノシート、風刺ポスターに至るまで、いずれも滅多にお目にかかれないような展示が多く楽しめた。
時代背景は違うとしても、情報も統制され、物もなく不自由な環境下であっても、工夫を凝らして何が何でも音楽に触れたいという思いは、沖縄のカンカラ三線にも通じるものがあるように思う。
bonemusic展
これらは、パッと見、レコードだなんてまず分からない。レントゲン写真レコードの実際のサウンドも聴けたが、想像していたよりはるかにクリアーな音だったので驚き。


会場に向かう途中、旧ソ連について熱く語り合う2人連れの女子とすれ違った。確かに、ソビエトに興味がある人にとってはたまらない企画展であろう。
今日は10連休初日のはずだが、原宿のキャットストリートも渋谷の街も、それほど大混雑はしていなかった。外国人が多いのは相変わらずだが、日本人はむしろ、今は東京から出てしまっているのかもしれない。

16:00 | histoire | - | - | |
2019.04.02 Tuesday

三浦按針

 長崎県平戸市崎方公園内の三浦按針墓地で出土した人骨が、ミトコンドリアDNA分析でヨーロッパ人男性と断定したというニュースを見た。
 三浦按針の本名はウィリアム・アダムスといい、1600年、オランダ船リーフデ号で大分県臼杵市に漂着、徳川家康から外交顧問として重用された。日本に初めて来た英国人とされる。祖国への帰国もかなわず、1620年にこの世を去った。
 平戸市によると、1561年から1640年までに平戸で死亡した70人の外国人のうち、1590年〜1620年に死亡したのが三浦按針を含む英国人とオランダ人の計10人。DNA分析から死亡時期が一致、按針の墓である可能性がより高まった、とある。
 そもそも、墓の発掘に至るまでの経緯がどこにも書かれておらず分からないが、按針の子孫も捜されているなど、調査研究の対象になっている重要人物である事がよく分かる。按針は日本人女性との間に息子ジョゼフと娘スザンナがいたというから、現在も日本のどこかに子孫がおられる可能性もなくはない。但し、息子ジョゼフの方は生涯未婚だったそうだ。また、按針は日本に漂着する前、英国でも結婚していて2人の子がおり、妻の名前も分かっているというから、そちらの系統からも捜せるかもしれない。
 ただ、年代から計算すると、日本に子孫がおられるとしても、按針の血は多くても2048分の1程度。複数人見つかったとしても10th cousinより遠い血縁となるはず。DNA分析を以てしても按針本人が特定できない上、按針の日本人妻の事もよく分かっていないらしいので、科学的に子孫を探すのはかなり難しいだろう。
 あるDNA分析サービスのwebサイトを見ると、日本人の場合「日本人100%」という結果が出た人と、「日本95%程度、あとは中国、アジア他」といった結果が出る2パターンがほとんどのようだ。国籍が欧米でもDNAは完全に日本人という日系人は多く見かけた。なので、日本人と欧米人の比率が 1:0.000488125 という人が今後出てきたら、按針の係累である可能性もわずかながら出てくる…が、やはり、かなり少ない可能性だ。

23:58 | histoire | - | - | |

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