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2007.10.13 Saturday

グザヴィエ・ドゥ・メストレ ハープリサイタル

ステージに颯爽と現れたメストレ。まるでステップでも踏むかのような軽やかな足どりは、いかにもイマドキの若者という雰囲気。ハープの横に立つと、背が高いことが分かる。グランドハープの支柱の高さと殆ど変わらない背丈、ということは、180cmはあるのかも。そのせいか、グランドハープが心なしか小さく見えた。

ハープは、ライオンヒーリーかホルンガッハか、他のメーカーのかは分からなかったが(少なくとも青山ハープではなかった)、ゴールドのキラキラしたハープ。

最初にペダルをセット。弾き始めの際は、肩に載せて弦を両手で押さえてペダルをセットするところ、メストレはハープを直立させたまま、足だけでセットしていた。でも、ソナタの楽章間などではちゃんと手で弦を押さえてペダルを変えていた。今日のプログラムは譜面もペダルも複雑な曲ばかりだというのに、最後まで暗譜で弾き切った。

弾き方のスタイルとしては、とにかくハープをよく動かし、傾ける。20度〜50度くらいの角度まで傾けつつ弾くので、そのままハープが倒れてしまうのではないかと、見ていてちょっと心配になってしまった。ただ、もともと大柄なのと、その楽器の構え方のおかげなのか、最低音の弦でも難なく手が届き、最高弦もさらっと弾いている。そしてやはり、ハープが小さく見える。

コンサート開演直前、ホールの係員が、観客の携帯電話のスイッチをOFFにするように、入念に説明して回っていた。今日の演奏会で、NHK-FMのベストクラシックのための収録もしているらしいので、そのせいでもあるのかも。放送日は未定とのこと。

1. Francisque/Granjany; Pavane et Branles
何と強弱のメリハリのある弾き方なのだろうと思った。ピアニッシモも、普通のピアニッシモも弾けば、爪の先で弾くような変わった音色のピアニッシモも弾く。手が大きいせいか、全体的にしっかりした音色だったように思う。

2. Dussek; Harp Sonata in C minor
デュセックのかわいらしいソナチネやソナタは、ピアノのみならずハープでもしばしば演奏されるが、この曲は実はデュセックの妻が作曲したという説が有力らしい。他にもそういう曲がたくさんあるのかもしれない。
途中、MozartのFl&Hp協の第1楽章に似たような音型が出てくるので、おや、と思った。(Mozartは1778年作曲、こっちの曲は1799年に出版されている。)

3. Smetana/Trnecek; The Moldau
今日の演奏会では、これが一番印象的だった。指が非常によく回るので、モルダウの水のきらめきのようなものがたいへん美しく再現されていたように思う。
オケ版だと、ハープは簡単な伴奏のみなのに、ソロ版だと、メロディも伴奏も全部弾くのでとてもドラマティック。

4. Fauré; Impromptu Op.86
バラードのような曲想、とあるが、確かに最初のアルペジオで、さあ、始まります!というような始まり方をして、繊細さと大胆さの入り混じった演奏。

5. Khachaturian; Oriental Dance and Toccata
オリエンタルダンスの、共鳴版を指で叩くときの音が大きいのは、さすが。
トッカータは、ペダル操作がかなり複雑で、ハラハラしながら足元を見てしまった。ぺダルを踏む動作がほんの一瞬ずれる箇所がいくつかあり、弦から金属音がしてしまったのは実に惜しかった。が、こういう曲でそうならずに弾くのは至難のワザだと思われる。

6. Debussy/Renié; 2 Arabesques
ピアノ版のタイの部分が、今日のハープ演奏ではタイにせず、音を弾きなおしていた。ピアノのタイと違って、ハープだとタイにするには音が弱いので、意図的に弾きなおしているのかもしれない。もしくは、もともとそういう編曲なのかも。
第2番の方は、ピアノ原曲は確かト長調だった記憶があるのだが、今日のハープ演奏では変ト長調で弾いていた。左側のペダルも全部♭にしてあったので間違いないと思う。これもルニエがハープでの最大限の効果を狙っているものと考えられる。

7. Renié; Légende
この曲を生で聴くのは初めてなのでワクワク。神秘的で静かな部分とかなり派手な部分があり、どちらも難しそう。
こんな曲が作れるルニエってすごい、と思いつつプログラムを見ると、ルニエはアッセルマンに憧れてハープを始め、みるみるうちに頭角を現すも、アッセルマンに冷遇され続け、苦労の連続だったとのこと。そんな殺生な!ついでに、この曲は詩人ルコン・ド・リールの「妖精」という詩からインスピレーションを得て書かれたとあるが、この詩、結婚式を明日に控えた若い騎士が妖精たちの誘惑を振り切って暗い森を駆け抜け、ようやく婚約者のもとにたどり着いたとき、彼女は亡霊と化していた…という内容らしい。そ、そんな、身もフタもない。まるで、オチのないフランス映画みたいではないか。

アンコール1. Parish Alvars; La Mandoline
いかにもメストレが得意そうな、技巧的で速い曲。トレモロがビシバシ!右手の1と2の指でトレモロを弾くその指さばきに瞠目。

アンコール2. Debussy; Valse Romantique
演奏会の最初から最後まで一言も言葉を発しなかったメストレ。ところが、この2曲目のアンコールを弾く前にひとこと「サイゴ!」これには会場も大爆笑。(実は、サイゴには聞こえず、サンコに聴こえてしまった)
その後、フランス語で曲名を告げて弾き始めた。耽美的でいかにもドビュッシーっぽい曲。

会場の拍手がとにかく大きかった。ハープソロの演奏会で、ここまで拍手の大きい演奏会はそれほど多くはないのではなかろうか。かなり人気があるらしい。日曜日に別の会場でも演奏会があるらしいが、そちらもかなり人気がある模様。

ただ、アンコール1曲目で、まだハープの弦の振動が残っているときに拍手しちゃった人、こらこら。まあ、気持ちは分かるけど…

2007.10.02 Tuesday

秋の弦楽演奏会

日フィルの元コンマスと、その仲間たち(大多数が日フィルの現役奏者)による弦楽演奏会。Vn2+2、Va2、Vc2、Cb1、時おりチェンバロを交えた編成での、秋をテーマにした曲が中心。

曲目は、チャイコフスキー「フィレンツェの思い出」弦合奏版、ヴィバルディの四季より「秋」、デューク「ニューヨークの秋」、ピアソラの「ブエノスアイレスの秋」、アンコールは「星に願いを」。

どの曲も、演奏そのものも、合奏するという点でも、かなり難しそう。最初の曲は、原曲がVn2、Va2、Vc2の曲らしく、それを編曲していました。
奏者たちはさらっと弾いていましたが。通常の演奏あり、アドリブあり、弦楽器って、こういう音も出るんだ、などと言う、新たな発見がありました。
第2部で衣装を変えてきたのも楽しい。

「ニューヨークの秋」では、コンマスのトーク。この曲、"去っていったあの人は、今ごろどうしているのだろう"という曲なのだそうですが、僕も時おり昔のことを思い出します、などと語り、会場の笑いを誘っていました。
ピアソラでは、時おり足を鳴らしながらの演奏。弦楽器で足を鳴らしながら弾くのって大変なんだろうなあ。(ハープだと、小節を数える時に時々やってしまいますが…)
素敵なアンサンブルでした。弦楽に減衰音のハープが入ると、またがらっと音が変わるんだろうなあとも思いましたが、そういう演奏会ってなかなか少ないように思えます。

2007.06.30 Saturday

藤原由紀乃が奏でる“魂の響” Vol.15 ラヴェルの夕べ

お客さんの年齢層も幅広く、小学生からお年寄りまで来ていました。(どちらかというと年配の方が多かったようです。)
ピアノはヴェーゼンドルファー。ピアニストの藤原由紀乃さんは、ラベンダー色のきらきらしたドレスに身をつつみ、はにかみがちな笑顔で登場。歩くときや椅子に座るとき、パニエのついた裾広がりのドレスの裾を気にしていました。確かにあのワイヤーが椅子に引っかかったりしたら面倒かも。演奏家ってそういうことも気にしなくちゃいけないので大変。

今回、ピアニストの手元がよく見える席だったので、超絶技巧をよーく観察できました。素晴らしいコントロールは、見ているだけでも芸術作品のようでした。

■Pavane Pour une Infante défunte
オケを聴きなれた耳で聴くと、ピアノ独奏版は少し早めのテンポに聴こえるが、ピアノ独奏版の中ではゆったりした演奏だったように思う。
情感たっぷりで、ところどころに入る流れ星のような装飾音(オケ版だとハープが担当する部分)が、クリスタルの輝きのように美しい。

■Jeux d`Eau
噴水の水の粒子のひと粒ひと粒が、楽しそうに戯れているような音が、減衰音であるピアノの音に合っていた。でも、決してそれだけではなく、ピアノでは本来は減衰音しか出せないのにも関わらず、ペダルを駆使して、連続体としての水のうねりや、水に映るもやもやした影のようなものも表現していて、その対比が素晴らしかった。
ラストの「『?』マークで終わるように」とラヴェルが書いた部分、本当に自然に消えていくような終わり方で良かった。

■Miroirs

.noctuelles
蛾が麟粉を振りまきながら飛び回っている、美しくもちょっと気味の悪い様子が思い浮かぶような、多彩な演奏だった。

. oisseaux tristes
鳥の悲しみを表現した曲だと思うが、ドロドロした重い悲しみではなく、どこかカラっとした乾いた悲しみを、森の静寂が引き立てているような感じ。

. une barque sur l'océan
ここまでのプログラムはどちらかというと強弱のメリハリのない曲が続いたが、この曲の中間部は、大波が岩に当たって砕けるような轟音を表現している部分があり、そこで思わず目が覚めるようだった。ピアノのフタもゆらゆら揺れていた。
後半、右手を酷使する(慣れると快感なんだけど…笑)伴奏に乗って、左手の美しい旋律が流れていく部分、完璧で圧巻。終わりは、非常にあっさり。大海原が水滴一滴で終わったかのようだった。

. alborada del gracioso
スペイン風のリズムがいかにもこの季節に似合っていると思った。
速いトレモロが随所に散りばめられていて、相当弾きにくいはずなのに、一つひとつの音がきれいに聴こえてきたのがすごい。

. la valle des cloches
さっきまでとはうって変わって、静かで穏やかな曲。第1部のしめくくりにはピッタリ。


■Gaspard de la Nuit

. ondine
昔チャレンジしようと思いつつ、冒頭の右手のあの動きがダメで挫折した曲、一体どうやって弾くんだろうと、手元ばかり見ていたが、あまりにも自然な動きなので参考にはならなかった(笑)。
ラストの、オンディーヌが泣きながらも高笑いして消えていく部分も素晴らしかったが、その直前、(おそらくソステヌートペダルを使っているのだと思われるが、)前のアルペジオの和音を残したまま、単音のメロディを奏でる部分が圧巻。

. la gibet
個人的には、今日の演奏会では、この曲がとりわけ素晴らしかったように思った。
この曲をめぐっては、単調に弾くか否かで、ラヴェルとピアニストのリカルド・ヴィニェスとで意見が分かれたらしい。今日の演奏では、わりと単調に弾いていたようであるが(つまり、ラヴェルの意図の通り)、時を刻むようなリズムとともに、不気味さと悲しみ、不条理な光景が目に浮かぶようだった。

. scarbo
出た!ラストはこの曲!スカルボ本人もびっくりするであろう難曲。
やはり、速くて強いトレモロがあちこちに出てくるが、ピアノでトレモロなんて無茶だと思うのに、すごくはっきり聴こえるところがすごい。
鍵盤の下から上まで、縦横無尽に動くさまが、スカルボの軽業のようにも見えた。

アンコールは、4曲。
■Feux follets(Liszt)
スカルボの次に、超絶技巧練習曲ですか〜…いやはや、絶句。
ご本人は、とても慣れた手つきで弾いていらっしゃいました。

■Etude Op.25-12"The Ocean" (Chopin)
同じ大海原をテーマとした曲でもラヴェルとショパンではこうも違うのかと思った。ラヴェルの大海原は哀愁が漂いつつも深刻さがないけど、ショパンは超深刻。なかなかの名曲。

■la Campanella(Liszt)
有名な曲であるせいか、体をゆらゆらさせながら聴き入る年配の人、多数。
こんな曲、ラフマニノフくらい手が大きくないと弾けないと思うのに、例によって、圧倒的なコントロールで打鍵。

■le tombeau de Couperin ".toccata"(Ravel)
またぞろトレモロの連続、おまけに、右手左手が入り乱れて交錯し、見ているだけでわけわかめ。スカルボと並ぶくらいの難曲。

それにしても、悪魔もびっくりの超絶技巧曲を、これだけ全部暗譜で一人で弾ききるなんて、聴いている方もびっくりな2時間でした。

2007.05.11 Friday

カトリン・フィンチ〜ハープで贈る珠玉の名曲集

今日はたいへん風が強く、やや肌寒い一日でした。
演奏会場の隣のビルで、2羽の鴨たちが寒そうにしているのを見かけました。

鴨たち

(前置きが長くなりましたが)日経ホールにて、聴いてきました。
「カトリン・フィンチ〜ハープで贈る珠玉の名曲集」

いや、もう、全てが完璧すぎて、あっという間の、それでいて、ものすごく濃い内容の演奏会でした。

使用ハープは、Salvi (型番はおそらくAuroraで、黒ベースに、金色に光輝く和風の模様が入っていました。休憩時間になると、たくさんの人たちがステージ前に集まってきて、ハープの写真を撮影しまくり。)

イギリス・ウェールズ出身のカトリン・フィンチは、元イギリス王室専属ハーピスト。
(チャールズ皇太子は、1998年にバッキンガム宮殿で行なわれた、自身の50歳の誕生祝賀パーティーにて、それまで約130年途絶えていた王室専属ハーピストの地位を復活させた。カトリン・フィンチは2000年〜2004年、ロイヤル・ハーピストに任命されている。)

カトリン・フィンチに関して、演奏会チラシを見た時は、美しく高貴で近寄り難いという印象を持っていましたが、今日は、オレンジ色のゴージャスなブラウスに白いパンツという明るいいでたちで、ニコニコしていました。
陽気なアメリカン(実際はイギリスの方)という雰囲気で、自ら英語で曲目紹介のアナウンスもしていました。


演目は、

J.S.Bach, Italian Concerto BWV971
Debussy, Children's Corner. Dr. Gradus ad Parnassum; The Little Shepherd; Serenade of the Doll;
Debussy,Clair de Lune
Albeniz, Cantos de Espana: Prelude Asturias
Parish-Alvars, Introduction, Cadenza and Rondo
Britten, Suite for Harp
Khatchurian, Two Pieces: Oriental Dance and Toccata
Falla/Granjany, Spanish Dance No. 1
Smetana/Trnecek, The Moldau
MR.D, Chicken Pickin'Rag(encore)

(当初予定されていた、Renie の Legende は、奏者の都合で、Parish-Alvarsに変更されていました。 )

最初から最後まで、弾き始める前に、軽く弦を鳴らしてチューニング、間髪を入れずに演奏するというスタイル。
椅子の傍にはミネラルウォーターが置いてあり、アナウンスの後は必ず飲んでいました。また、楽譜はいちおう全部譜面台に載っていましたが、演奏中、見ることは殆どなかったようです。

バッハの曲では、トリルの指使いに注目してしまいましたが、終始1と2の指だけできれいに弾いていました。

ドビュッシーの「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」では、ピアノでも難しい冒頭の右手の早いアルペジオを、やはりかなりのスピードで右手だけで弾いていたのがすごい。

アルベニスの「スペインの歌」は、ギターで演奏する機会が多いものの、本来はピアノの組曲。
アルベニス没後に発見されたスペイン組曲の手稿譜には、第1、2、3、8曲しかなく、他の曲はタイトルだけしかなかったため、のちに出版社が、アルベニスの作品からもっとも相応しいと思われる作品をスペイン組曲に転用したという経緯で、「スペインの歌」中の前奏曲「アストゥリアス」が、スペイン組曲第5曲の「アストゥリアス」に転用されたそうです。
この曲、音飛びが多く、左手は下→上、右手は上→下、と弦の隅から隅まで飛びまくるというのに、全然上の方の弦を見ずに弾いていて、しかも音を外していないところが驚き。

パリシュ・アルヴァースも完璧。完璧すぎて声も出ないという感じ(笑)。

後半、ブリテンの曲は、不思議なんだけどハープらしい美しい曲で、次のハチャトゥリアンにつなげるのに良い曲だと思いました。
ファリャのスペイン舞曲のあとは、すこぶる拍手が大きかったような。左手の速い動き、本当に速い!
ラストのスメタナ、長い長い曲なのに疲れも見せず、余裕のよっちゃんで弾いておられました。

どうして、片手だけで2オクターブのアルペジオがあれだけ速いスピードで弾けるのか、オクターブのトレモロも同様で、なぜ手がつらないのか、教えてほしいものです。

アンコール曲は、チキン・ピッキン・ラグ。
あのラグ特有のリズムと楽しさがハープで表現できるなんて、目から鱗が落ちすぎて困りました。

帰りにCDを購入。今日のアンコール曲がCDでもラストを飾っていました。奏者のお気に入りなのかも。

ハーピスト

00:00 | le concert | - | - | |
2007.04.13 Friday

ラヴェル ピアノ協奏曲ほか(梯 剛之&日フィル)

梯さんのピアノは、どの楽章も(他の奏者の演奏と比較して)かなりゆっくり目でしたが、ひとつひとつの音がとても美しく、この曲の素晴らしさをゆっくりと堪能することができました。
あの永遠の名曲、第2楽章も、決して大袈裟にならず、淡々と弾いているんだけれどもどこかドラマティックで、美しさと静けさと寂しさの中にある光と希望のようなものが見えるような、そんな演奏でした。

演奏会終了後、オーケストラの一部の奏者の方との小さな交流会があり、ハープ奏者の方とお話しする機会に恵まれました。2年前にこの方のコンサートがあり、実はその時にも話しかけようとしたものの失敗していたので、今回はラッキーでした。とても気さくな方で、夜の本番後で疲れていらっしゃるはずなのにニコニコして、ずっとこちらの話を優しく聞いてくださいました。物腰柔らかなのに、実際の演奏にはいろいろな表情があって、そこがまたかっこいい!思わず、サインをもらってしまいました。

2006.05.18 Thursday

東京ハルモニアオーケストラ第32回定期

2006年5月17日 19:00 東京文化会館小ホール

仲間内で評判のハープ奏者、山畑るに絵さんのハープを一度聴きたかったのが、ついに実現した。

ダマーズ《ハープと弦楽合奏のためのコンチェルティーノ》
ドビュッシー《神聖な舞曲と世俗的な舞曲》

どちらも、ペダル操作は忙しくて難しいし、弦の最低音から最高音まで、まんべんなく使う曲だ。その上、高音部の「狭い」部分をめちゃめちゃ速く美しく弾く部分が多いので、弾く方にしてみれば、相当弾きにくいと思われる。
それにも関わらず、強弱のメリハリはあるし、とにかく美しい!
「全ての音がハーモニックスのように聴こえる」という前評判は聞いていたが、まさにその通りで、かつ、本物のハーモニックスの方も完璧だった。
ハープはホルンガッハを使用していたらしい。

休憩時間、チューニング中に、バーン!という轟音とともに、弦が切れてしまった。下から5番目周辺(?)の白色の弦だった(ように見えた)。あちゃー、やっちゃったよ、という表情を浮かべつつ、淡々と弦を交換、調弦し直して、次のプログラムに全く影響がなかったのは、さすが、天晴れ!と思った。

私はこの日、非常に体調が悪かったのであるが、素晴らしい演奏を聴いて、帰って熟睡したら、翌日、かなり回復していた。やはりハープの音を聞くと脳からα波が出るというのは本当なのであろうか。ええもん聴かしてもらいました。

2006.05.14 Sunday

ヤマハ銀座店インストアライヴ 〜ホルンとハープ

2006年5月14日(日)15:00 ヤマハ銀座店ミュージックステージ

《浜辺の歌》《グリーンスリーヴス》《愛の挨拶》《美しの里》4曲。
ホルンとハープは、オーケストラでは掛け合いも多いが、デュオの実演は初めて聴いた。柔らかくてまろやかで、ウルサくない。いつまでも聴いていたいと思った。
ホルンで出演していた方は、会社員の傍ら、演奏家として活躍しているとのことで、時には出張先にホルンを持参して練習することもあるらしい。その気持ち、大いに共感してしまった。
私も、演奏会直前で切羽詰っている時は、(グランドハープはさすがに持ち歩けないので)アイリッシュハープを持って新幹線に乗ることも多いからである。弦の太さや奏法が異なるので、気休め程度にしかならないけれど…。

ハープで出演していた方は、もともとは作曲や鍵盤系楽器が専門だったとのことで、ハープ科卒というわけでもないのに、のびのびとハープの可能性を知り尽くしたアレンジで伴奏なさっていて、ただただ、ほわー、と聴き入るばかりの美しい音色だった。
ピアノでアレンジを勉強した人が、後にハープのアレンジを試みると、どうしても鍵盤での発想から抜けきれず、ハープにできないことを無理にやろうとしてしまったり、逆に、鍵盤ではできないのにハープでなら出来ることが思い浮かばなかったりしがちだと思うのだが、とにかく自然でハープらしい伴奏だった。おそらく、あの伴奏は即興なのだと思われるが、やはり作曲できる人は偉大だ…。


話は変わるが、この日、店の外にいた親子が「あんた、あれ見てん、ハープ!ハープばい!あんた、見たことあるね!?」と大きな声の博多弁で叫んでいたのが面白かった。また、ちょうど、店外の歩行者天国でも、ほぼ同じ時間帯に、ヴァイオリンで《グリーンスリーヴス》を演奏していた人が居たのだが、あれは偶然の選曲だったのか、少し気になった。

22:00 | le concert | - | - | |

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